チェルシー バスケット模様の皿(1752-58年頃)
A Chelsea Basket-Moulded Dish C.1758-58
チェルシー(レッドアンカー期)の皿。バスケットの地模様に、葡萄の葉、茎及び蔓が左右にレリーフで施されている。葉と茎は自然の色で彩色され、白磁部分には花束や小花が多色彩で描き込まれている。
この形状はマイセンがオリジナルだとされるが、チェルシーではレッドアンカー期(1752-58年頃)に作られ、さらにウースターでも1760年前後に導入されて60年代半ばまで作られたとされている。(ただし、チェルシー作品とウースター作品とでは、バスケット地の縁の形状などが異なる。)
葉や茎などのレリーフ模様は、1750-60年代の英国磁器で好まれ、多くの形状の作品が作られた。例えば、本品と同じく葡萄をモチーフにした作品がチェルシー、ボウ、ダービーで作られている(ボウ(B7)を参照)。ロントンホールは、植物レリーフの作品を特に多く作ったが、一例としては苺の葉や実を用いたロントンホール(LH1)がある。また、薔薇の葉と蕾をあしらったウースターのBlind Earl模様(大英博物館収蔵作品を参照。)は、チェルシーやボウでも同様の作品が作られた。
本品の裏面には、例によって高台のすぐ内側に赤い錨のマークが小さく(2mm)記載されている他、高台内3か所に目痕があり、高台の一部は挽き切られている。素地内の気泡である「ムーン」も見られる。
サイズ/Size: 28cm x 19cm
マーク: 赤い錨
Marks: a red anchor
参照文献/References:
-F.Severne Mackenna "Chelsea Porcelain The Red Anchor Wares" Fig.28 (Plate 14 & p.87)
-Simon Spero & John Sandon "Worcester Porcelain 1751-1790 The Zorensky Collection" Item 257
-John Sandon "The Dictionary of Worcester Porcelain Volume I 1751-1851" Colour Plate 98
-British Museum Website:(ウースターの作例)
https://www.britishmuseum.org/collection/object/H_1981-0101-187
-V&A Museum Website:(同上)
http://collections.vam.ac.uk/item/O184507/dessert-dish-worcester-porcelain-factory/
http://collections.vam.ac.uk/item/O184515/dessert-dish-worcester-porcelain-factory/
(2020年8月掲載)